失礼男の攻略法

「はじめまして。里中直樹です。きっと、叔父が無理を言ったんでしょう。お忙しいのに申し訳ない」

そう言って軽く頭を下げる姿は好感が持てる。狸親父の甥っ子で、国際弁護士というイメージからは想像できないほど、腰が低い。

「いえいえ、むしろせっかく帰国されてる貴重なお時間なのに」

そこまで言うと

「とりあえず2人とも、かけたらどうかね」

所長に座るように促されてしまった。

そして、あらかじめ所長がオーダーしていたらしいワインとコースが運ばれてくる。用意周到なところに、所長の本気度を感じて、ちょっと恐くなってしまう。

「直樹には今度の合併案件で、向こうの窓口をお願いすることになってね。その顔合わせで帰国したんだよ」

「よく言いますよ。帰国させたくて、無理矢理仕事つくったくせに」

そんなことを言い合う、叔父と甥っ子だけど、きっと直樹さんのヨミが正しいんだろう。
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