失礼男の攻略法

「今回のように、現地窓口まで必要な複雑な案件って増えてきているんですか?」

ちょっと所長への嫌味も込めて聞いてみると

「そうですね。今回のは叔父のワガママな気もしますが、案件が増えたことで交渉自体が細かくなってきてるのはありますね」

私の意図をくみ取った返しをしてくれる。やっぱりできる人なだけあって、スマートな対応だなと思いながら、所長そっちのけで直樹さんの話に引き込まれてしまった。

普段私は海外の案件なんてほとんど扱わないのもあって新鮮で、直樹さんの話術もあって面白い話が聞けた。所長は特に口をはさむでもなく、相槌を打ちながら満足そうな顔でお料理とワインを楽しんでいたし、席に着いた時には思わなかったくらい有意義な時間を過ごしている自分がいた。


だから、レストランを出て

「西田さん、もう少しお付き合いいただけませんか?」

直樹さんからそう言われた時に、普通に頷いてしまった。
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