失礼男の攻略法

ん?と下げていた頭をかしげると

「前から、きれいな方だなって気になってたんです。お近づきの印に一度、お食事付き合っていただけませんか?」

いきなりかけられたストレートなお誘いに固まっていると

「僕こういう者でして」

名刺を差し出された。このビルに入っている化粧品会社の営業マンらしい。

たしかに営業マンぽい爽やかな風貌だなって思っていると

「あ、お食事お誘いしたら怒られる方とか、きっといらっしゃいますよね」

たれた目で上目遣いで見られる。ますますカワイイな、私と同じ年くらいかな、とか一人でその顔を堪能していると

「ダメですか?」

もうひと押しされる。

「そんなことないです」慌てて全力で首を横に振ると

「よかったぁ」顔いっぱいの笑顔で見つめられて照れてしまう。

「あの、僕もう行かないといけいなんですが都合のいい日、連絡いただけませんか?」

さっき受け取った名刺を裏返され、書かれた文字列に目を落とす。

プライベートの連絡先を書いてくれていたらしい。はい、と頷くと

「よかったぁ」

さっきと一緒のセリフが出てきて、くすっと笑ってしまった。
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