失礼男の攻略法

ウイスキーの棚を物色しようとしている私のそばまでやってきて、ウイスキー瓶に手を伸ばしながら今度は私の首筋近くに顔を近づけてクンクン匂いを嗅いでいる。

「準備しといてやるから、先シャワーでも浴びてこい」

そう言われて、なんだ今日はえらくサービスがいいな、とちょっと見直してしまう。だから

「ありがと、お兄ちゃん」

素直にお礼を言ってバスルームに向かった。


さっぱりしてリビングに戻ると、既に飲んでいるお兄ちゃん。私にもグラスを手渡してくれて、ふわっと届いた香りに癒される。

「うわー。やっぱりパパのコレクションはさすがだね」

自分じゃ絶対に手を出せないヴィンテージのウイスキーにニンマリと口元が緩む。ここに泊まる時の楽しみの1つが父が趣味で集めているウイスキー。下のバーなんかでは飲めない代物だ。それを味わっていると

「で、どこの男?」

その幸せ気分を台無しにするような言葉がかけられた。
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