失礼男の攻略法

「そうなると採用だけでなく、企業活動自体にも影響がでてくることは容易に想像できます。私の業務範囲外なので、これ以上は申し上げませんが、今一度ご検討を頂いた方がよろしいかと」

私の気迫が伝わったのか、メタボ役員は表情を硬くしたまま

「あぁ、先生。貴重なご意見ありがとうございます」

と言って腰ぎんちゃくに視線を向けた。すると、焦ったような腰ぎんちゃくは

「そ、そうですね。一度、社内で検討をさせていただいて、またご連絡をさせていただきます」

しどろもどろになりながら口に出した。

「では、よろしくご検討のほどお願いいたします」

最後に微笑んだつもりだけど、いつも通りの笑みがつくれたか自信がなかった。

それほど、このメタボと腰ぎんちゃくのやり取りに、そしてそんな奴らの立場にたって弁護をする自分に苛立ちを覚えてしまっていたのだ。


そのままオフィスに戻る気にもなれず、早い時間だけど一杯飲もうと、いつもとは違うエレベーターに乗って54Fのバーにやってきた。


だけど、そこも最悪で・・・。
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