失礼男の攻略法

「だってさ、YGの“深窓のご令嬢”でしょ。わざわざ働かなくてもいいだろうに、弁護士なんて難易度高い上にYGとは関係ない仕事してさ。その上、山岸姓すら名乗ってないって。一体、何と戦ってるのさ?」

その口ぶりは、まったくもって嫌味を言ってる風ではなくって、さっきと同様に本当に不思議に思ってる、そんな温度伝わってきた。

だから、私も思ったことが自然とこぼれてしまっていた。

「戦ってるつもりなんてない。でも私は、山岸の娘、じゃなくって私として価値がある人間になりたいって思ってる。いや、思ってた、かな。そんなの思い上がりでしかなかったんだけど・・・」

言いながら、なんで自分はこんなこと話しちゃってるんだろうと、自分に苦笑いが漏れてしまう。すると

「思ってた、か。強気なわりに、自虐的だね~」

グラスに口を付けながら、フッと小さく笑う失礼男だけど、そこにもバカにした感じはなくって、むしろなんだか何を言っても受け流してくれそうな、そんな雰囲気が漂っていた。


だから、つい話してみたくなったのだ。自虐的かもしれないけど、今私の中で処理しきれないモヤモヤを・・・。

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