片翼の運命

運命、とでも言うのだろうか。

こうして慧斗と隣の家に生まれて、幼い頃から一緒で、全然話さなくても心は通じ合っていて?

運命だから、結ばれると。

「……書いてあったの、さっき見た本に」

「うん?」

「ある地方の吸血鬼は、最初に吸血した異性の隷属となるって」

「え」

慧斗の顔色が少し変わる。わたしは続けた。

「慧斗のそれって、好きって言うのって本当に心から思ってるの? ただの性質なんじゃないの? だったら全然わたしは喜べない」

「美衣ちゃん」

それだったら、わたしが好きになっても、感情はどこにも行けないままだ。

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