片翼の運命
その溝中くんから連絡が無い、と。
恋愛の悩み事か……。
「この前、バスケ部の女子と一緒に帰るの見たけど」
船川……!
わたしは足癖がよろしくないとは思いながらも、船川の足を蹴った。
「いっ」
「たまたま帰りが一緒になっただけかもよ? ね、船川」
「そ、ソウデスネ……」
大きなおにぎりを頬張り、船川は涙目でモグモグと咀嚼をしていた。
とかなんとか、わたしは人のことをフォローしている暇があるのだろうか。
後ろから視線を感じている。でも話しかけては来ない。
まるで主人の指令を待つ犬だ。
いや、吸血鬼。