片翼の運命

ストップの表現だと、すぐに分かって口を閉じる。

蝙蝠たちが示し合わせたように飛ぶのを止め、どこかへと身を潜める。わたしに警戒したのだろうか。

慧斗はベランダの手すりに足をかけた。何をするのかと、それを見ていると、ふわりとベランダから落ちた。

「えっ」

思わず身を乗り出した。望月家の庭にすとんと着地して、立つ慧斗の姿があった。
高い身長だからか、運動神経が良いからか、吸血鬼だからか。

とりあえず、慧斗だから無事だったのだろう。

「危ないよ」

「美衣ちゃん、決まった?」

下から尋ねられる。何の話だろう、と続きを待つ。

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