片翼の運命

でもそれは慧斗も同じだったらしく、少しの沈黙があった。お互いに、お互いの言葉を待っていた。

「やっぱり、翼切り落とす方?」

その言葉に記憶が呼び起こされる。

「それはいい! わたし、慧斗に言いたいことがあって」

「うん?」

「わたし、慧斗が好き」

思ったよりもすんなりと声が出た。緊張もなかった。
心から出た言葉だったからか。
その理由は、言葉では説明がつかない。

「美衣ちゃん!」

大きく腕が開かれている。まるでここに飛び込んでこい、と言わんばかりに。

え、ここ二階の窓だけど。この窓から隣の家の庭まで飛ぶの?

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