片翼の運命
わたしの家の前に着き、立ち止まる。慧斗は少し黙って、わたしの手を引いた。
また何かの匂いがするのか、と顔を上げる。
ちゅ、と軽く唇が重なった。慧斗はにこにこと笑顔を見せる。
それは幼い時に見せた可愛い笑顔に似ていた。
「……本当はずっと、慧斗と話したかったよ」
そう言えば、首を少し傾げる。
「だから無視されてるなって気づいたとき、わたしだってそうしてるのに、傷ついた。自分勝手なのはわかってるけど、でもそう思ったの」
「ん、ごめんね」
「慧斗の所為じゃないんだから、謝らなくて良いの。わたしの方こそごめん」