片翼の運命

言葉を尽くしても、もう月日は返ってくることはない。

「ううん、そう思ってくれて嬉しいと思ってる俺がいる。それに、ごめん」

するりと伸びてきた腕が背中にまわされた。ぐっと近づいた距離に、慧斗の体温を感じる。
唇が重なり、開いた口に舌が入る。離れないように後頭部が固定された。

「……ん、う」

苦しさに慧斗の袖に掴まる。下唇が舐められて、離れた。気の所為か咥内の唾液を貪られたような。

「ごちそうさま」

……気の所為じゃなかった。
途端に後ろで玄関の扉が開く音がした。心臓が痛いくらいに跳ね上がる。

「あれ、美衣と慧斗くん?」

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