片翼の運命
自販機に夏菜子と船川が現れなかったら、わたしは一人でハンドボールを投げていただろう。
でも、友達に引き摺られて行ったという彼の言い訳に対抗してしまった。
「友達?」
「そう、お昼ご飯一緒に食べる約束してるから。じゃあ」
腕を取った。元々わたしの腕だけれど。
彼の視線は廊下に向いていた。夏菜子と船川がこちらの様子を窺っている。
初めての、いや久しぶりの会話だというのに感動も何もなかった。
むしろ、わたしはあの人との会話に何の感動を求めていたのだろう。
たぶん、いやきっと、その理由が知りたかった。
彼がずっとわたしを知らんぷりしていた理由を。