片翼の運命

「慧斗」

「……慧斗」

「よくできました。じゃあまたね」

にこにこと笑顔を見せて、慧斗はわたしを追い越して行ってしまう。

なんだあれ。天然のタラシか何かだろうか。
外国人の血が混ざっているとあんな風に、整った顔でペラペラと話せるものなのか。勿論日本語だけれど。

顔が熱くて、掌を首の後ろにつける。あーもう、振り回されまくりだ。慧斗が関わると、なんだか予想しない方向へ話が向いていく。

ゆっくりと歩き出した。

窓から桜の花弁が入ってくる。

そういえば春だったと思い出す。
そういえば、仔猫の話できなかった。



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