片翼の運命

手を合わせて「いただきます」と小さく呟く。

「もしかして付き合ってる?」

「いやまさか」

「だって、この前まで意図的に話さなかったくらいなのに急に一緒に昼ご飯食べたいなんてさあ」

「元々ああいう人なんだよ」

卵焼きを口に運ぶ。もぐもぐと咀嚼をしてやっと彼は吸血鬼なのだから、血を飲むのだろう。

誰の? あれ、今まで彼が何かを口にしているのを見たことはあったっけ?

「あたしは良いけど、一緒にご飯食べても。聞きたいこと沢山あるし」

「わたしはやだよ……。変にやっかまれるのも」

溜息を吐く。今現在、慧斗の隣に座っている女子からも軽く睨まれているのが現状だ。


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