片翼の運命

その顔を見せられると、なんだか下心を持っていた自分が醜く思えて仕方ない。

口を少し開けると、揚げたジャガイモが上の歯と下の歯の隙間から入ってくる。

塩の粒が舌に当たってじんわりと溶ける。全て口に入ったのを見てから、慧斗はその指先をぺろりと舐めた。

「カップルかなあ?」

近くに座っていた女子中学生たちがこちらを窺いながら話している。それに我に返って、顔が紅くなるのを感じた。

いやいやカップルじゃないですから。

もぐもぐと咀嚼して心の中で反論する。

てゆーか、これは何の羞恥プレイなのだろう。人前でポテトを食べて見られて。


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