大切なもの【完結】
「送ってくって言っただろ」
四宮がもっていた袋で彩香の頭をポンッと叩く。
「毎日悪いよ」
「いんだって。暗いし、送らないと俺が母さんに怒られる」
「毎日ありがとね」
聞こえた話の感じでは毎日四宮に送ってもらってんだなと理解する。
なんだ、俺いらねぇじゃん。
俺の心配無用ってやつか。
彼氏なのに彼女を守ることもできねぇでいま彩香に一番近いのは間違いなく俺じゃなくて四宮だと感じ取る。
「これ、余ったパン」
さっき彩香の頭をポンッと叩いた袋を手渡す。
「いつもありがとう」
「遠慮すんな。母さんも彩香が来てくれて喜んでるからさ。中学んときたまに手伝ってくれてたじゃん」
…見てらんねぇ。
いたたまらなくなった俺はもう戻ろうとくるりと半回転。
俺の家はパン屋からみると彩香の家と逆方向だから。
まぁ、いまは逆でよかったかもな。
なんかほんとあれじゃあ、四宮が彩香の彼氏に見えてくる。
四宮がもっていた袋で彩香の頭をポンッと叩く。
「毎日悪いよ」
「いんだって。暗いし、送らないと俺が母さんに怒られる」
「毎日ありがとね」
聞こえた話の感じでは毎日四宮に送ってもらってんだなと理解する。
なんだ、俺いらねぇじゃん。
俺の心配無用ってやつか。
彼氏なのに彼女を守ることもできねぇでいま彩香に一番近いのは間違いなく俺じゃなくて四宮だと感じ取る。
「これ、余ったパン」
さっき彩香の頭をポンッと叩いた袋を手渡す。
「いつもありがとう」
「遠慮すんな。母さんも彩香が来てくれて喜んでるからさ。中学んときたまに手伝ってくれてたじゃん」
…見てらんねぇ。
いたたまらなくなった俺はもう戻ろうとくるりと半回転。
俺の家はパン屋からみると彩香の家と逆方向だから。
まぁ、いまは逆でよかったかもな。
なんかほんとあれじゃあ、四宮が彩香の彼氏に見えてくる。