大切なもの【完結】
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「最近元気なくない?」



帰り道、香が俺の顔をのぞきこむ。



「郁人にそんな顔近づけんなよ」



香の腕を翼が引っ張る。



「なにさ!郁人のこと心配しただけでしょー!」


「ふっ。なんもないよ」



そんな2人のやり取りがらおかしくて思わず笑みが零れる。



「彩香が最近一緒じゃないから?」


「まぁ、な。俺のためにやってくれてるってことはわかってんだけどな」


「言えば?そんなに気になるなら」



今度は翔が後ろから俺の肩を掴んでぶら下がる。



「いてぇよ!」



翔の腕を引き離す。

ほんといてぇ。



「元気ないからさー。元気づけようと思って」


「だからってぶら下がるのは小学生じゃないんだから」



桜苗がクスクス笑う。


こいつらの存在が俺を救ってくれてる気がする。

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