寄生虫
☆☆☆
サナギはいつか蝶になる。
そんなの親の勝手な願望だ。
あたしは自分の部屋にあった菓子パンを晩ご飯にしながらそう思った。
一階からはおいしそうな晩ご飯の香りがしてきているが、バラが作ったものを食べる気はなかった。
もう少しすればお父さんが帰ってくる。
仕事に疲れて帰って来たお父さんが嬉しそうにバラのご飯を食べている姿はすぐに目に浮かんできた。
そんな中、あたしはテーブルの隅でいてもいなくてもいいように座っているのだ。
お父さんはバラにあれこれ仕事の話をするだろう。
頭のいいバラは会社の話をすんなりと自分の中にとりいれて、そしてお父さんにアドバイスをするん
だ。
そしてあたしは「おい、おかわり」そう言われて、お父さんに空になった茶碗を渡されるんだ。
それを断れば「お前は嫁に行く以外に道はないんだから」と、冗談を言って笑われる。
今までだってそうだったから、よく理解していた。
どうせ、あたしの事なんて何も見ていない。
一生懸命お父さんの話を聞いたって、お父さんが意見を求めているのはいつだってバラの方だった。
だから、今日は一階でご飯は食べない。
サナギはいつか蝶になる。
そんなの親の勝手な願望だ。
あたしは自分の部屋にあった菓子パンを晩ご飯にしながらそう思った。
一階からはおいしそうな晩ご飯の香りがしてきているが、バラが作ったものを食べる気はなかった。
もう少しすればお父さんが帰ってくる。
仕事に疲れて帰って来たお父さんが嬉しそうにバラのご飯を食べている姿はすぐに目に浮かんできた。
そんな中、あたしはテーブルの隅でいてもいなくてもいいように座っているのだ。
お父さんはバラにあれこれ仕事の話をするだろう。
頭のいいバラは会社の話をすんなりと自分の中にとりいれて、そしてお父さんにアドバイスをするん
だ。
そしてあたしは「おい、おかわり」そう言われて、お父さんに空になった茶碗を渡されるんだ。
それを断れば「お前は嫁に行く以外に道はないんだから」と、冗談を言って笑われる。
今までだってそうだったから、よく理解していた。
どうせ、あたしの事なんて何も見ていない。
一生懸命お父さんの話を聞いたって、お父さんが意見を求めているのはいつだってバラの方だった。
だから、今日は一階でご飯は食べない。