干物ハニーと冷酷ダーリン


程無くして、だいたいの人の体力が尽きてきた頃、会議室は鎮圧したのだった。



『おー、川本。すげー営業部に噛みついたらしいじゃん』



ゲッソリとした高橋さんと共に編集部に戻ったあたしは、開口一番黒崎さんに言われた。


「………黒崎さん、それどこ情報ですか?噛みついたのはあたしじゃなくて、水城さんですよ」


『えー?でも、川本が吠えたって話が持ちきりだよ』


「なんですか、それ。止めて下さいよ、止めさせて下さいよ」



あたしだって、なるべく穏やかに物事を進めたかったですよ。

あの石頭長谷川営業部長さえ、黙っていてくれたらなんの事なかったのに。





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