干物ハニーと冷酷ダーリン
編集部、宴会の鉄則からして、日頃を鬱憤を爆発させてしまったのだろうか。
この部屋に他の人がいないし、多分飛び火を恐れ回避したのだろう。
鉄則とは、そういうものだとあたしも心得ている。
今回はあたしだったという事だ。
とにもかくにも、記憶が無いことには何もできない。
失礼千万ではあるが、水城さんを起こす事にしよう。
いつ寝たかも知らないですが、水城さんはショートスリーパーだと信じてそっと肩のあたりを揺すってみた。
ピクリともしない。
今度は、胸のあたりに両手を置いて強めに揺すってみる。
『…………なに?』
寝起き特有な掠れた声を発した水城さんは、瞬時にあたしを捉え、睨んできた。
いや、薄目だったからそう見えたのかもしれないけど、水城さんは辛うじて目も開けてくれた。
「あの、あたし……」
『…今、何時?』
「えっ、あ、5時半を過ぎた頃です」
『………まだ、寝てろ。誰も起きちゃいねーよ』
ごろんと、寝返りを打ってあたしに背中を向ける水城さんは、また寝る体勢になった。
いや、あの、ちょっと、また寝ないで下さい!
あたしに、真実を告げてから寝てください!