干物ハニーと冷酷ダーリン


「ちょっ、水城さん。すみません、ごめんなさい。起きて下さい、お願いします」



ゆさゆさゆさ、
ツンツンツン、、、。




『………うるさい』


「お願いします。教えて下さい。昨日のあたしを」



水城さんは、ばっちり聞こえるくらいの溜め息をつくと、のっそりと体を起こしてくれた。

首を左右にゴキゴキ。
右腕をグルグル。
右肩をグイグイ。



とてもダルそうだ。



「………すみません、水城さんの腕を枕にしてました」




言われる前に申告した。

起きた時に感じた頭の下の違和感に気付かなかったわけじゃない。

何を隠そうあたしはバッチリ水城さんの腕を下敷きに堂々と頭を預けていたのだ。



『……だろうな。外に出るぞ』



ちらっと黒崎さんを見ると、水城さんは煙草を手に立ち上がり歩いていく。


物音を立てず、そろーっとあたしもその跡に続いて部屋を出た。





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