干物ハニーと冷酷ダーリン


「白田先生は?」


『あと10分くらいで到着するみたいよ。ん?川本、背伸びた?』


パソコンの画面から目を離しあたしを上から下に視線を往復させる黒崎さん。

それ、変態ですよ。いや、セクハラです。



「ヒールですよ」


『あぁ、今日スーツだもんね。いいねぇ、半袖にパンツスーツ川本似合ってるよ』


「………それはどうも」


『今度から、スーツで仕事しなよ』


「絶対いやです」



そう言っている黒崎さんも、スーツを着用していて、いつもの野暮ったさが粉砕されただの男前になっている。

恐いスーツマジック。
スーツには魔物が潜んでいる。


営業部は見慣れてるから、そんな事はなかったのに、時々出現するスーツには騙される。



あっ、これ漫画に使えそうなネタだ。





『よーし、今日も頑張るか』


「よろしくお願いしますね、黒崎さん」



今日は、編集部からはあたしと黒崎さん。
営業部からは大平さんと久保田さん。

両ボスは今回はいない。





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