干物ハニーと冷酷ダーリン
花ちゃんは、あたしの3つ下の23歳。
半年前までミルキー編集部で一緒に働いていたけど、あまりに多忙でついていけなくなり辞めてしまった。
せっかく出来た後輩の女の子だったのに。
ちょっと残念だったな。
まぁ、最後は水城さんの一撃だったけど。
『定時になったら、上がらせて欲しいだと?そんな事は自分の仕事を1つでも終わらせてから言え。それが嫌なら、辞めてもらっても構わない』
鬼の一撃は最強だった。
確かに花ちゃんは、マイペースで終わらなかった仕事のしわ寄せがこっちにまできて帰れない日の犠牲者が何人もいたけど。
編集長様、物には言い方というものが…。
あたしがどやされてても微笑ましく見ているだけだった黒崎さんでさえ、あの時は焦ってフォローをしていたくらいだ。
そんな事があるもんだから、ミルキー編集部には少女漫画の編集のくせにあたし以外は男だけの変な構成の編集部になっている。