干物ハニーと冷酷ダーリン
『……、えー相崎さん。』
ネームを見終えた水城さんは、赤ペンを手放し相崎さん妹と向き合う。
『結論から言って、ボツです』
「えっ、、、?ボツ?」
コンマ数秒、沈黙があったのち我に返ったように相崎さん妹は呟く。
『アドバイスをするなら、画力は描いていくうちに上手くなりますが、ストーリーの構成からキャラ設定、コマ割りが皆無です。』
「……皆無」
『一度、漫画について独学でも知識を得る事から始める事を薦めます。』
ネームチェック10分程度、評価1分弱。
そして、あたしの手には3頁分のネームが残ったまま。
『編集者として言えるのは、以上です。他に何か聞きたい事があるなら、川本に聞いて下さい』
水城さんは、赤ペンを手に取ると無駄のない動きで去っていってしまった。
えー、、、。なにこれ。どんな状況。
と、いいますか、、、これどんな仕打ち?
何故にこの状況にして、出て行くの?
あの人、頭大丈夫なの?
丸投げするにも程がある。
文句を言うのは、後でも言える。とにもかくにも今この状況を何とかせねばならない。
しかも、相崎兄弟。やりづらいなぁ、、、。