干物ハニーと冷酷ダーリン



「えっと、、、ですねぇ」


『あの方が、編集部の編集長ですか?』



いざ、話を切り出そうとした時、被せるように相崎さん兄は言う。



「えっ、あ、、、はい。水城編集長です」



『男性の方も、少女漫画の編集をするんですね』



「ええ、まぁそうですね。うちはほとんどの編集者が男性です」



『そうだったんですか。なかなか意外でした。少女漫画ってなると、当然女性の方が編集するものだと思ってました』



「他の出版社は、どうか分からないですけどね、、、」




あはははは。と、当たり障りのない会話を続けるが腹の中じゃ、何であんたが質問してんの?しかも妹のネームに全く関係のない話をしやがって。と、暴れ出している。



それと同時に、早く帰れ!と少しばかりの私情も混じり始めている。

いや、少しだけじゃない。大半が早く帰れと思っている。





実際に、無意識のうちにネームを揃えて相崎さん妹に返しているあたしは、全くの正直者である。




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