干物ハニーと冷酷ダーリン
『今、望月先生に直しとペン入れをしてもらってる最中だ』
「えっ?望月先生ここにいらっしゃるんですか?」
水城さんが視線を動かし、そのあとを追いかけると打ち合わせ室の電気がついていた。
『幸い直しも少ないから、ペン入れもすぐに出来たんだが、どうもトーンとベタが間に合わん』
なるほど、先程から黒崎さんと滝くんがテーブルで一生懸命何かしていると思ったら、そういう事だったんだ。
へぇー。はぁーん。ほーん。
でも、飛んだんじゃなくて良かったじゃないですか。
「………………って!大変じゃないですか!」
はっ?えっ?これ今月の増刊号だよね?
今月?……今月でしょ!
あれ?増刊号って月刊誌と同じ日にちに発売じゃなかったっけ?
って、事はもう印刷所になきゃいけないものじゃない?