干物ハニーと冷酷ダーリン


とにもかくにも、早くこの女をどうにかしなければならない。

さっきから通行人が、目を見開き足早に去っていく。


まるで、俺が何かしたみたいじゃないか。



「…あたしだって、、着替えたかったですよ、、でもそんな余裕もなかったんです!」



『は?いや、まぁいい。早く来い』



川本を連れて部屋に戻ると、そのままバスルームに追いやった。

そこでも川本は、着替えがないやら下着も濡れてるやら、ここのシャワーの使い方が分からないやら嘆きながらも風呂場に入っていった。




全くもって、色気もへったくれもない。

男の、、、それも彼氏の部屋でシャワーを浴びる。
シチュエーション的には、魅力的だがそんな気になるどころか頭を抱えたくなる。


着替えは、俺のでいいとして下着は、、、無理だろ。


あいつ、何で下着も濡れてるなんて言ったんだよ。
俺が、どうにか出来ると思ってんならただの馬鹿だろ。


一先ず、着替えを脱衣場に置いて奴の反応を待つ他ない。



少なからず寝たはずなのに、疲労感が増した気がする。

コーヒーを飲みつつ煙草を吹かしため息を漏らす。


なんだかな、、、この状況。チャンスといえばチャンスなのだろうけど、なんせ相手は川本だ。

俺の思い通りにはならないんだろうな。


そして、ふと思う。


アイツ、これからどうすんだ?









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