干物ハニーと冷酷ダーリン



『…おい。まさかポンと決めるんじゃねぇだろな?』



「えっ、、、いや、決めますよ。あたし家ないし、、、」



今まで鳴りを潜めてた水城さんが、ここにきて唸り始めてきなすった。

ちょっと顔、怖いし、、、。

なんで?



『いいか、取り敢えず資料だけ貰って帰るぞ』



「なんでですか!あたしに家なし子のままでいろって事ですか!」



『住む場所を簡単に決めるなって言ってんだよ。馬鹿かお前は』


「ば、バカ!?ちょ、それはいくら何でも酷いんじゃ、、、」



あー、あったあった。待たせちゃってごめんねぇ。

と、水城さんに反撃をかましていた所に大家さんが戻ってきた。



大家さんが持ってきて紙は、何故か水城さんの手に渡り無駄にイケメンスマイルを顔に引っ付けて、少し検討させて下さいとあたしそっちのけで話が進められた。



『いやー、そうだよねぇ。年寄りが野暮な事しちゃったかなぁ』



『いえ、、、また近いうちにご連絡させていただきます』



どうやら話がついたようだが、あたしにはさっぱりだ。

解せぬ。非常に解せぬな。






「あのー、あたしのお家は、、、?」



後藤さんのカフェにつき、注文を済ませると水城さんは先程持ってきたアパートの詳細が記入してある紙を凝視している。







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