干物ハニーと冷酷ダーリン
何故、あたしより先にそれを見る?
そこに住むのはあたしだし、決めるのもあたしのはずだ。
『まぁ、立地も間取りも問題ないだろうな』
「………ですねぇ」
やっとあたしの手元にやってきたそれを見ると、確かにいい物件だと思う。
なら、すぐにでも決めちゃいたかったのに、、、。
明日にでも、連絡しようかな。
『だが、やめとけ』
「…へ?」
何故?ここまできても、まだ水城さんはあたしに家なし子のままにしたいの?
なにこれ、なにそれ、新しいイジメ?パワハラ?
『ここ、空いてる部屋は一階だけだろ』
「……?はい、ここに書いてあります。階段とか使わなくて済むので楽ですよねぇー」
荷物の運び入れも簡単そうだ。
『……お前は、平和だな』
盛大なため息と呆れた表情を浮かべる水城さん。
うん。分かる。分かるよ。
これは、馬鹿にしてるんでしょ?あたしを馬鹿にしてる事くらい分かりますとも。
でも、いいでしょう。
ここは穏便にその理由を聞いてあげましょう。
「……どういう事でしょう?」
しかし、内容によっちゃ、容赦しねぇぞコラ!
かかってこいやー!こんちくしょー!