干物ハニーと冷酷ダーリン
『川本は、トーン貼りを頼む』
「了解です」
垂らしたままだった髪を後で1つに縛り、作業を始める。
ミルキー編集部がもっとも変集部と思われてる由縁の1つがこれだ。
漫画家でもアシスタントでもないのに、何故かここの編集者は、アシスタント紛いの事が出来ることにある。
それは、毎度毎度おのおの担当している漫画家さんが入稿日に間に合うかの瀬戸際までに追い込まれる為、手伝う事を余儀無くされる事で身につけたスキル。
入社当初、水城さんがさも当たり前のようにベタ塗りをしている所を見て度肝を抜かれた。
それが今じゃ、あたしも当たり前になってしまったのだから世も末だ。