干物ハニーと冷酷ダーリン
『おう、川本はよー。大変だったみたいだな』
「……あっ、三野さん。おはようございます」
『いやー、焦った焦った。起きたら編集長から鬼のように着信があって、一気に青ざめたわ』
ああ、そう言えば水城さん隙さえあれば電話掛けまくってたっけ。
リダイアルする姿もまさに鬼でした。
「あの、水城さんは?」
あれからまだ、戻って来てないんだろうか。
この時間なら、いつもデスクに鎮座している水城さんがいない。
それに、滝くんも。
『ああ、編集長は一旦家に戻ったよ。無事に入稿したって』
「そうですか…良かった」
きっと印刷所からこれでもかと思うけど、お説教をくらったに違いない。
まぁ、何にせよ入稿出来て本当によかった。