干物ハニーと冷酷ダーリン


あれ?そう言えば、水城さんいないわ。


あたしの中で出張から戻ってきてるかもしれない説が浮上していたが、いなかった。

ホワイトボードは今だに不在 出張と書いてある。



「水城さんって何処に出張してるんですか?」


隣の住人。屍に成り果てている黒崎さんに聞いてみた。


『、、!今更!?』


あっ、生きてた。
かろうじて聴覚はまだ機能してたみたい。


時刻は、あまり意味をなし得ない定時を少し過ぎた頃。



「お昼頃に連絡はしたんですけど、要件だけ言って切られました」


『あら、やだ。可哀想、、、』


「そのネームにお湯ぶっかけますよ」


『それだけはヤメて!!』


黒崎さんはネームを引き出しに入れ、変わりに栄養ドリンクと冷えピタを取り出していた。


そんなに警戒しなくても、冗談なのに。




『宮城に行くって言ってたよ』


「いいですね、宮城。聖地巡礼ですか?」


『それ、水城に言っちゃ駄目だよ』


「冗談ですよ。仮に言うとしても黒崎さんがいる時に言います」


『やめてよー。怖いじゃん』


「あたしも怖いです」



鬼のいぬ間になんとやらで、
いないついでに普段出来ない事やろーぜ。

と、頭がちょっとな事を言う黒崎さんに乗せられて妙なテンションのままアニソンを熱唱してみたりモノマネ対決をして遊んだ。




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