干物ハニーと冷酷ダーリン
ポンッとテーブルに三枚の紙を置き、なに食わぬ顔で去って行く水城さん。
えっ、なんで?なんであたし?
面接?誰が誰を?こういうのって普通黒崎さんじゃないの?
黒崎さんいないの?
思わず内線を使って黒崎さんの存在を確かめる。
『あー、聞いてなかったの?今日面接に来る子ってみんな女の子だよ』
ちらりテーブルにある紙、改め履歴書に目を通すと確かに女の子たちでした。
「だからって、何であたしなのでしょう?あたし何か役に立ちますか?」
『えー、だって女子編集者が欲しいって言ったの川本じゃん。それに、女の子の事は女の方が分かるでしょ?』
「…まぁ、そーでしょうか?」
『それに、考えてごらんよ。水城1人で面接しようもんなら、何とか採用してもらおうと手八丁口八丁もんだよ』
「……なるほど」
と、まぁこんな訳でポツンと第2打ち合わせ室にいるのである。