干物ハニーと冷酷ダーリン
『えー、まず順番に何故うちの出版社でこの部署を選んだのか…高橋さんから』
向かって右、高橋恵美子さん。
最終学歴、短大造形芸術学部卒業。
あっ、この大学は確か島田先生と同じだ。
へぇー、後輩なんだ。
有名な大学だもんなぁ、ここ。
「はい、私がここを選んだのは私自身凄く漫画が大好きで、大好きなものと共に仕事をしたかったからです。」
あー、その気持ち分かる分かる!
しかも、どの読者よりも先に次の展開を知ることが出来るっていう特典付きだもんねぇ。
ちょっと自分が気にくわないストーリー展開になったらちょちょっと修正かけたりしちゃってね。
私情挟みまくりだけどね、どっちかと言うとあたしの志望動機はこれだった気がする。
『そんなに漫画が好きなら、漫画家になる道を選ばなかったのは何故?』
「はい、私は丸田先生の作品が大好きでいつか丸田先生の漫画の編集者になりたいと思ったからです。」
『丸田先生のアシスタントになりたいとは、思わなかったのですか?』
「はい、私は手先な器用な方ではないので、アシスタントより編集者の方が向いていると思ったからです。」