お帰り!フランス人の王子様

「あのさ、私彼氏とかいたことないから
緊張してただけなの。分かる?」

「そうなのか…?」

そうだ、私謝るだけで
理由をきちんと説明してなかった!

「ルイがかっこいいから、見るの恥ずかしくて…
ごめんね!」

「そうなのか?俺かっこよくないのに」

そして、この一言で王子の機嫌は直ったのでした。
ちゃんと理由を話せば分かってくれる!
これからは気を付けよう。

「リリー、仲直りのぎゅー」

「うん、後でね」


それからはいつも通りの雰囲気に戻って
それはそれでよかったんだけど…


「リリー、これ何?」

王子が指差したのは
本日のメインといっても過言ではない
あわびの温泉蒸しだ。

「あわび。おいしいよ」

「気持ち悪い。これいらない」

「えー?食わず嫌いだめ。一回食べてみなよ」


だってあわびだよ?
高級食材!お米みたいにいつだって食べられるものじゃないし!

「ううう!むにゅむにゅしてる」

王子は箸であわびをつついた。

「リリー、俺絶対嫌!」
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