お帰り!フランス人の王子様

空港についたら起こすからというと、
ルイは本当に空港まで爆睡していた。
そりゃあそうだ!
4時に起きたんだもん!
だから6時でいいって言ったのに!


最後の日なのになー。
もっと話したかったけど。

*
そしてやってきた、さよならの時。
スーツケースを預け、
手荷物検査の列のそばで
パスポートと切符を手に、
王子は私を抱き締めた。

「リリー、さびしい…」
耳元で聞こえる切ない声に
私の目はうるうるし始める。

だめ、泣いたらだめ!
大人がこんなとこで泣いたら恥ずかしい!

「き…きてくれて…ありがとう」

カスカスの声を絞り出して、私はそう言った。

「リリー、大好きー」
「…うん」

私もって言いたかったけど、
うんと言うのが限界だった。
だめだー!涙が出るー!
唇に力をいれて耐える。
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