ラブリー
小宮課長はフッと口角をあげた。

昔から変わらないその微笑みに、わたしの心臓がドキッと鳴った。

どうしよう、また好きになっちゃったらどうしてくれるのよ…。

1度振られたと言うのに、また思いが再燃してしまいそうだ。

「大人になったね」

わたしの気持ちに気づいていない小宮課長はそう言った。

「そ、そうですね…」

呟くように返事をしたわたしの声は震えていた。

時が経てば、誰だって大人になるに決まってるじゃない。

いつまでもランドセルを背負ってるって言う訳じゃないんだから。

でも小宮課長の中では、わたしはランドセルを背負った小学生のままなんだろうな。

「もう我慢しなくてもいいね」

そう言った小宮課長に、
「…えっ?」

訳がわからなくて、わたしは聞き返した。
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