ラブリー
小宮課長がいないこともあってか、いつもよりも仕事に集中することができた。

「あっ、昼だ」

隣から声をかけてきた佐和子に、
「もうこんな時間か…」

わたしはうーんと両腕を挙げて伸びをした。

「今日はどうする?」

佐和子がデータの保存をしながら聞いてきた。

「昨日は食堂だったからね」

今日は小宮課長がいないから食堂でもいいかと思ったけれど、2日続けて食堂と言うのは何だか味気ない。

「今日は外で何か食べるか?」

「いいよ、そうしよっか」

そう聞いてきた佐和子にわたしは首を縦に振ってうなずくと、椅子から腰をあげた。

カバンから財布を取り出すと、それを持って佐和子と一緒にオフィスを後にした。
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