ラブリー
会社を出て入ったところは創作パスタ店『アルコ』だった。

会社から近いし、値段もちょうどいいのでよく利用させてもらっている。

店員に注文して料理を待っている間、
「そう言えば、告白されたんだよな」

佐和子が思い出したと言うように言った。

「えっ?」

もしかして、昨日のことに気づいた。

小宮課長がわたしに告白してるところを見たの…って、そんな訳ないか。

佐和子はもう退社していたから見ていたなんてことはないだろう。

「営業3課の本田さんに」

佐和子が言った。

あっ、そうですよね。

自分のことを言っているんですよね、失礼しました。

「本田さんって、チャラ男をこじらせたようなあの本田さん?」

わたしは聞いた。
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