ラブリー
「食べようか」

「うん、そうだね」

わたしたちは手をあわせると、食事を始めた。

ナポリタンを食べているその姿もとても美しくて、凝視しそうになったがどうにかこらえた。

フォークを持っている手つきもキレイだ。

本当に、どうして佐和子には彼氏がいないのだろう。

わたしの場合は理由があるからまだいいとして、佐和子には理由が見当たらない。

容姿も性格も、特に申し分はないと思うんだけどな…。

佐和子に告白してくる勇気ある(?)男もいるくらいだから文句はない。

でも、どうして佐和子は彼氏を作らないんだろう?

そんなことを思いながら食事を終えた。

店を出ると、
「ねえ、さっきの話なんだけど…」

佐和子に声をかけようとしたら、
「ごめん、メールに出ていい?」

そう言ってスマートフォンを取り出した彼女にさえぎられてしまった。
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