完璧執事の甘い罠


「ちょっと、突然入ってきてその顔はなによ」

「ノックしたっつぅの。なにかやましいことでもしてんのか」

「なっ!やましいってなによ!」



かああっと熱くなって、ムキになって反論した。
って、それじゃあ、図星みたいじゃないか。
別に、やましいことなんて・・・。



「それより、なに?」

「ジルが別の仕事で離れるからって俺をよこしたんだ」

「そっか・・・」




あの一件から、ジルは一時も離れず私の側にいようとする。
ジルがいられない時には必ずノエルを付けてくれる。
他の人が付けられることはないから、ノエルはジルにとって本当に信頼できる仲間なんだとわかる。

でもそれは、ジルとノエルに多大な負担をかけているってことなんじゃないだろうか。



ジルにも、ノエルにも他の任務や仕事があるはずで。
私の側にいることだって仕事の一環で。


だとしたら、いつ休んでいるんだろう。


ジルに至っては、夜だって私を気遣って見に来てくれる。




「もう・・・大丈夫だよ?犯人だって、ノエルたちが捕まえてくれたんでしょう?」




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