副社長は束縛ダーリン
◇◇◇
それから三日後の木曜日。
十八時になってもまだ空は水色で、日中の蒸し暑さが持続している。
退社後の私は、社屋から二分ほどの距離にあるカフェにひとりで入り、アイスティーを注文したところだった。
席数は十五席ほどの小さな店で、客は私を含めて八人いる。
窓際のふたり掛けテーブル席で、車と人の行き交う通りを見ながら、私は物思いに耽っていた。
長谷部くんと土曜日に出かけることは決定した。
紹介したい店が三軒あるということで、十一時に待ち合わせ、夕方まで食べ歩く予定。
お互いに同期以上の感情を持っていなくても、ふたりきりだとデートのようで私の罪悪感が刺激されるので、ユッコも一緒に行くことになっている。
三日前の社食で、ふたりの雰囲気が微妙におかしいと感じたけれど、それは気のせいだったみたい。
『ユッコも一緒に』と言った私に、長谷部くんは笑顔でこう言ってくれたから。
『分かったよ。じゃあユッコには、俺から連絡しておく』
きっとユッコは、長谷部くんから誘われて、喜んだことだろう。