副社長は束縛ダーリン
「大変申し訳ありませんでした。朱梨ちゃんがかわいくて、つい……。
二度とこのようなことはしませんので、どうかクビだけはご勘弁を!」
悠馬さんが半歩、長谷部くんとの距離を詰めるから、私は焦ってその腕を捕まえた。
怒りを直接的にぶつけたら……と危ぶんだのだ。
しかし悠馬さんは私の手をやんわりと解くと、頭に手をのせ、ポンと一度叩いた。
心配するなと言うように。
それから長谷部くんの前にしゃがんで、怒りを抑えた静かな声で語りかける。
「土下座はやめて。パワハラ上司になりたくない。公私混同で君を懲罰対象にもしないから安心して」
パッと顔を上げた長谷部くんは、ホッとしたような、本当だろうか?と訝しむような、複雑な顔で悠馬さんを見ていた。
「許してくださるのですか……?」
期待を込めて、恐る恐る問いかけた長谷部くん。
それに対し悠馬さんは頷くのではなく、眉間に皺を寄せて、「許さない」と冷たく言い放った。