副社長は束縛ダーリン

思わず長谷部くんに同情した私だったが、悠馬さんの怒りの矛先は、彼にだけ向けられはしなかった。

立ち上がった悠馬さんは、私と向かい合うと、「さて、次は朱梨を叱らないとね」と、厳しい顔をして言う。


肩をビクつかせてから、覚悟する私。

そうだよね……。

私も悠馬さんに嘘をついて、出かけたことを謝らないと……。


「ごめんなさ……んっ!?」


謝罪の言葉を最後まで言えなかったのは、悠馬さんが突然、私の腰を引き寄せ、キスしたからだ。

そのキスは軽いものでは済まず、唇を割って舌が入り込み、私の口内で我が物顔して暴れまくる。

何度も角度を変えて、大袈裟なほどのリップ音を立て、唇を弄ばれた。


まるで俺のものだと、長谷部くんに見せつけているような嫉妬心丸出しの濃いキスに、私の羞恥心は頂点に達して、顔から火が出そう。


やっと唇を離してくれた悠馬さんは、呼吸を乱して目を潤ませる私の頬を両手で挟み、ニヤリと口角を吊り上げた。


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