副社長は束縛ダーリン

私の弟の草太に確認の電話をして、母親はピンピンしていることが分かったという話だった。


「えっ、草太と連絡先を交換してたんですか!?」


悠馬さんは一度、弟に会っている。

私が男と一緒にいると勘違いして、会社からアパートに駆けつけてきた、六月のことだ。

あのときに連絡先を交換していたとは知らなかった……。

そう驚いた私だが、悠馬さんに「違う」と言われた。


「交換はしてない。朱梨のスマホに入っている連絡帳を丸ごとコピーしてあったから、それを使ったんだよ」

「ええっ!? いつ、そんなことを?」

「付き合いたての頃だったかな。
なにかあったときに、緊急的に使うこともあると思って」


悠馬さんに悪びれる素振りは一切なく、戸惑う私の顔を、首を少しかしげて眺めていた。

連絡帳を丸ごとコピーした理由は、本当に緊急時のためという目的しかなかったのだろう。

でも、ひと言言ってくれたら、こんなふうに戸惑わずに済むのに。

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