副社長は束縛ダーリン


「悠馬さん、お腹空いてますよね?
簡単なものでよければ、なにか作りますよ」


畳から板の間に一歩、踏み出し、振り向いて聞くと、彼は首を横に振った。


「夕方からの仕事は取引先との会食だったんだ」

「そうでしたか。じゃあ、お茶とお菓子でも」


会食ということは、お酒も少しは飲んできたのかもしれない。

酔っている感じは見受けられないけれど、私のメールをあらぬ方向へと誤解してしまったのは、お酒の影響もあってのことだったのかもしれない。

そう考えて納得し、冷蔵庫から出したペットボトルの緑茶をグラスに注ぎながら、笑って文句を言った。


「お風呂上がりに悠馬さんのLINEを見て、私も慌てちゃいましたよ。変な勘違いは、これっきりにしてくださいね」


『ごめん』と謝られるのか、それとも『朱梨のメールの文章が悪い』と叱られるのか……彼なら後者かなと返事を予想していたが、そのどちらでもなかった。


「朱梨も勘違いしてるよ」

「え、私も?」

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