副社長は束縛ダーリン
彼の肩にもたれるようにしてその温もりに浸りつつ、私は首をかしげて考え中。
ということは、今後、またライバルが現れるようなことがあれば、教えてあげればいいってことよね。悠馬さんの性癖を。
いや、ライバルが現れてからじゃ、ひと騒動あって大変かもしれないし、予防的な意味で前もって周知しておく方が……。
「悠馬さん、会社に着いたら、みんなに言っておきますね」
「なにを?」
「もちろん悠馬さんのことです。縛るのが好きな人だってことを。そうすればライバルはいなくなりますよね」
名案だと思って言った言葉に、私の頭を撫でる彼の手がピタリと止まる。
「それは、やめてくれ……」
店内に流れる軽快なクリスマスソングに似合わない、掠れたような動揺した声。
いつも嬉々として私に赤面ものの格好をさせる彼なのに、人に知られるのは恥ずかしいみたい。
「朱梨、聞いてる? 頼むからやめてね」
顔を覗き込むようにして念押しする悠馬さんの焦りがおかしくて、私は頷きながら笑っていた。