副社長は束縛ダーリン

長谷部くんの愚痴を遮って、「ちょっとゴメンね」と、スマホを差し出した。


「写真、撮ってくれる? 私とユッコと、エリちゃんと……男子は入らないようにお願い。
居酒屋にいるって分かるように、背景も入れてね」

「朱梨ちゃん、これって、まさか……」

「うん。副社長に送るの。
今、北海道に出張中なんだけど、心配だから二時間おきにメールしろって言われてるから」

「マジか……」


「上には上がいるもんだな」と長谷部くんは呟いて、笑顔を引きつらせている。

ユッコは私から、悠馬さんの束縛ぶりを聞いていたので驚きはせず、長谷部くんの顔を見て大笑いしていた。


私は今撮ってもらった画像をつけて、同期会をしているという報告メールを送り、既読のマークが現れたのを確認してから、スマホを膝に置いた。


悠馬さんも今頃、取引先の人とお酒を酌み交わしていることだろう。

チラリとメールを確認する余裕はあっても、返事はできないはず。

仕事上での飲みの席は気を使うと思うけれど、北海道の美味しい料理を楽しんでいればいいなと思っていた。

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