【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 


秘書室に戻り、他の秘書とともに打ち合わせをする。

「十時半から役員室で新聞社の取材が入っているので、もしかしたら秘書室も撮影をお願いされるかもしれません。役員のスケジュールや社外秘の書類等は、念のため目につかない所に……」

そう私が話をしている横で、秘書課の後輩の桃井さんがふっくらとした頬を桃色に染め、はぁーっとため息をついた。

なんだろう、と横目で見ると、桃井さんは小首を傾げうっとりとした表情をしていた。
緩くパーマがかかったセミロングの髪をサイドで束ねた桃井さんは、指先で髪の毛をいじりながらつぶやく。

「専務って、本当にかっこいいですよね。副社長に変わって国内業務を仕切るようになってから、確実にメディアの取材が増えたと思いません?」
「そうですか?」

無表情で首を傾げた私に向かって、桃井さんは唇を尖らせる。

「そうですよ。副社長の弘人さんは男前って感じで近寄りがたいけど、将人さんは優しいしかっこいいし面白いし。専務の担当の冬木さんがうらやましいです」

桃井さんは、まだ秘書見習いで、役員の担当になっているわけではない。秘書課の雑用をこなしたり、手が足りない秘書のサポートをしたりしている。

「私もそのうち専務の専属の秘書になってぇ、いつもお側でお世話をしているうちに、『プライベートでも僕のパートナーになってくれないか?』なんて言われてぇ、玉の輿のシンデレラコース、とか、夢見ちゃいますよね」

そんな事を言う桃井さんを見て、綺麗な黒髪を肩の上で切りそろえたボブヘアーの大野さんがため息をついた。

 
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